和歌山県立近代美術館

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特集展示 井田照一

会期: 2012年3月6日(火)~5月27日(日)

特集展示 井田照一

版画の概念を問い直すことから独自の作品を展開した作家、井田照一(いだ・しょういち/1941-2006)の特集展示を行います。

1941(昭和16)年、京都市に生まれた井田は、京都市立美術大学に学び、1965(昭和40)年に同大学西洋画科専攻科を修了しました。在学中、吉原英雄に版画を学び、リトグラフ(石版画)に取り組むことから、作家活動を開始します。筆跡を残さず平面的で情緒性に依存することのない表現の可能性をリトグラフに見出し、単純な色面などによって画面を構成する作品などを手がけます。その後シルクスクリーンの技法も取り入れながらポップアート的な作品を制作しますが、ここではイメージをより表層的に表現することが目指されました。その薄さの表現は、風や空気など非物質的な存在をイメージ化する試みへとつながり、さらに版画を使ったインスタレーションへと展開するに至ります。

しかしなにより、井田の評価を決定づけたのは、1970年代中頃から始まる、「Surface is the Between/表面は間(あいだ)である」というコンセプトをもとにした仕事でしょう。版画制作において、垂直と水平のエネルギーが出会う場所であり、イメージとそのイメージが刷られる紙の接点である「紙の表面」に注目し、表と裏の両面に刷るなど様々な版画技法を駆使した実験的な作品の試みは、井田独自のものです。

そのきっかけは、紙の上に置きっぱなしにしていた小石でした。ある時、ふと小石を動かしてみると、その自重で紙の表面に、わずかながらも跡を残していたことに井田は注目します。小石の重さと机の水平面との間に位置していた紙片が示した、作用と結果、水平と垂直、重力と平面、位置と自重、等における表面性の証。それは版画を作るプロセスそのものではないかと認識したのです。

井田は、版画のプロセスを根源的に問うことによって、自身と自然との関係を探ろうとし、その探究は版画にとどまらず、ペーパーワークや、ブロンズ、セラミックなど様々なメディアでも進められました。

この展示では、井田の仕事を、当館コレクションと没後スタジオに残された作品により、ご紹介します。

出品点数75点。

【会場】 和歌山県立近代美術館 1階展示室(「コレクション展2012-春」と同じ) 

【会期】 2012年3月6日(火)~5月27日(日) 

【開館時間】 9時30分~17時(入場は16時30分まで) 

【休館日】 月曜日

【観覧料】 一般340(270)円、大学生230(180)円( )内は20名以上の団体料金 

*高校生以下、65歳以上、障害者の方、県内に在学中の外国人留学生(外国人就学生も含む)は無料 

*「コレクション展 2012-春」と共通 


【関連事業】

  フロア・レクチャー(学芸員による展示解説)

  4月30日(月・振替休日) 14:00ー 1階展示室にて(要観覧券)


《konyaku No.8》1965 リトグラフ、紙

《Blue Cake》1967 リトグラフ・シルクスクリーン、紙

《Series—In front of, In back of—"Surface is the Between-Horizontal Lines"》1975 リトグラフ、トレーシングペーパー(両面刷)

 《Surface is the Between— Between Vertical and Horizon—"Paper Between a Snowed Stone and Water Stain"》1981リトグラフ・シルクスクリーン、紙(両面刷)

 《Surface is the Between— Between Vertical and Horizon—"Descended Blue"》1982エッチング・アクアチント・ドライポイント・スピットバイト・シンコレ、紙

 


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