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村井正誠《クリジフィ》1947
会期: | 2015(平成27)年12月18日(金)ー2016(平成28)年2月14日(日) |
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生誕110年 村井正誠展 ひとの居る場所
2015(平成27)年は、村井正誠(1905〜1999)の生誕110年にあたります。これを記念して、村井が描き続けた、普遍的な「ひとの居る場所」としての絵画と向き合う機会を設けます
村井正誠は1905(明治38)年に岐阜県大垣市で生まれ、和歌山県新宮市で育ちました。村井が少年期を過ごした頃の新宮市では、のちに大正自由教育の一つの象徴となった文化学院を開いた西村伊作の周辺に、石井柏亭、富本憲吉など多くの芸術家が集まり、村井は小学生の頃から生活と制作を共にする彼らの姿を見て画家への憧れを抱きました。
中学卒業後、上京した村井は文化学院大学部美術科で学び、1928(昭和3)年にフランスに渡りました。そして、華やかなパリ画壇の流行には追随せず、原始美術、中世美術の素朴な表現に共感し、モンドリアンらの抽象芸術に刺激を受けながら、時代を超え、国境を越えて人間の心に響く絵画を探る本格的な制作を始めます。日本の抽象絵画の先駆けとなったそれらの作品は、第二次世界大戦へと向かう不穏な世情のもとですら、変わらない人間の生命の輝きを求め、提示しようとするものでした。
村井はまた作品発表の場として長谷川三郎、山口薫らの友人と共に創立した新時代洋画展、それを発展させた自由美術家協会を創立して、戦前の日本画壇に新しい風を吹き込み、多くの若い作家たちに影響を与えました。
戦後はモダンアート協会を創立し、1951(昭和26)年第1回サンパウロ・ビエンナーレ展をはじめとする数々の国際展で活躍する一方で、母校文化学院や武蔵野美術大学で教授をつとめています。
より大らかで温かな表現を求めて画風を展開し、1999(平成11)年に逝去するまで、一貫して人間をテーマに描き続けました。今回の回顧展では、とくに油彩画と並行して制作しつづけた版画作品をあわせてご覧いただきます。村井の油彩画31点、版画49点、素描14点、資料1点の計95点を展示します。
【会場】和歌山県立近代美術館 2階展示室
【会期】2015(平成27)年12月18日(金)ー2016(平成28)年2月14日(日)
【開館時間】9:30~17:00(入場は16:30 まで)
【休館日】月曜日(ただし月曜日が祝休日の場合は翌平日休館)
【観覧料】一般510(410)円、大学生300(250)円 ( )内は20 名以上の団体料金
*高校生以下、65 歳以上、障がい者の方、県内に在学中の外国人留学生は無料
*毎月第4土曜日は「紀陽文化財団の日」として大学生無料
◎講演会
2月14日(日)「ひとの居る場所 村井正誠と抽象絵画」講師:植野比佐見(当館学芸員)
14時より 2階ホールにて(申込不要、聴講無料)
◎担当学芸員による展示解説
12月20日(日)、1月17日(日)、1月31日(日)
14時より 2階展示室にて(申込不要、要観覧券)

村井正誠《パンチュール No.3》1929-33年
村井正誠《こども》1980年
村井正誠《母子像》1951年

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