1.「創立100周年記念 国画創作協会の全貌展」 〜明日開会
当館今年一番の大型展「創立100周年記念 国画創作協会の全貌展」がいよいよ明日、開会します。
重要文化財の村上華岳《日高河清姫図》をはじめ、現存が確認される国画創作協会展覧会(国展)出品作を中心とした約90点を集めた大展覧会です。
100年前の京都で、野長瀬晩花、小野竹喬、土田麦僊、村上華岳、榊原紫峰の5人の日本画家が創立した「国画創作協会」。
「生(うま)ルヽモノハ藝術(げいじゅつ)ナリ」という彼らの宣言文には、自分たちが新しい美術を生み出すのだという強い決意が感じられます。
会場に並んだ作品の数々は、何を絵にすべきか、どう絵にすべきか、それぞれが個性豊かに問うた、まさに活動の軌跡です。
そして創立メンバーの野長瀬晩花は、もちろん和歌山県出身の画家。
地元作家の偉業を、日本近代美術史の大きな枠の中で感じられる展覧会でもあります。
25年ぶりの回顧展となる本展を、ぜひお見逃しなく!
*会期中、一部作品の展示替えを行います。
【会期】】11月3日(土・祝)~12月16日(日)
*前期展示:11月3日〜11月25日 *後期展示:11月27日〜12月16日
【会場】1階展示室
【主催】和歌山県立近代美術館、朝日新聞社
【特別協力】京都国立近代美術館、京都市美術館
【助成】一般財団法人 地域創造
【関連事業】
◎記念講演会 *各回とも、2階ホールにて、13:30開場、先着120名、聴講無料
「近代絵画史における国画創作協会の意義」
11月4日(日) 14:00~15:30
講師:上薗四郎(笠岡市立竹喬美術館館長)
「大阪の「茶話会」と大正期の日本画壇-国画創作協会と連動したか-」
12月8日(土) 14:00~15:30
講師:橋爪節也(大阪大学文学研究科教授)
「国展の画家が愛した紀州」
12月15日(土) 14:00~15:30
講師:藤本真名美(和歌山県立近代美術館学芸員)
◎フロアレクチャー(館長による展示解説)
11月10日(土)、12月9日(日)14:00から15:00
展示室にて(要観覧券)
◎体験アート・ワークショップ「晩花のふるさとを訪ねて」
11月24日(土)10:00〜16:00(和歌山市集合7:30/和歌山市着18:00)
講師:黒田真里(日本画家)
場所:田辺市中辺路町近露周辺 対象:小学生以上一般成人まで
定員(公募):20名(事前申し込み制) 参加費:500円
主催:特定非営利活動法人和歌山芸術文化支援協会(wacss)
助成:和歌山県文化振興事業補助事業
後援:和歌山県教育委員会、ニュース和歌山株式会社
*参加には申込みが必要です。
詳細は、073-454-5858(wacss)までお問合せください。
◎だれでも美術館部(みんなでお話をしながら作品を楽しむ鑑賞会)
12月1日(土)
14:00から展示室にて(要観覧券)
◎こども美術館部(小学生対象の鑑賞会)
「ボクラ・コウサク・キョウダイ・ノ・ヘンソウ」
12月1日(土)11:00から(要観覧券)
*開始時刻までに受付をお済ませください。
*小学生は無料にて観覧券をお渡しします
2.コレクション展2018-秋冬
和歌山ゆかりの作家たち/特集 国展の版画
和歌山県立近代美術館のコレクション展では、日本画、洋画、彫刻、版画など、
総数1万点を超える所蔵品を通じて幅広い美術の表現に接していただけるように展示替えを行っていますが、
今回は、同時期に開催する特別展「創立100周年記念 国画創作協会の全貌展」にあわせた内容になっています。
まず、国画創作協会展覧会(国展)に版画作品を出品した作家たちを特集します。
日本画家たちによって発足した同会は、後に洋画や工芸、彫刻を含む部門を設立しますが、
それに先立って版画は、日本画と同じ部門内での出品が許されていました。
日本画のみならず、版画でも試みられた新しい表現への挑戦をご紹介できるのは、
豊富な版画コレクションを誇る当館だからこそできる関連展示です。
国展には日本画を出品していた画家が後に版画家となっていることもあります。
また、コレクション展の本編「和歌山ゆかりの作家たち」も、
国画創作協会と同時期の洋画の流れや、「コレクションに見る国展画家たち」と題した個性豊かな日本画作品、
和歌山と移民画家、そして戦争を挟んでから現在までの作品を、和歌山ゆかりの作家を中心にご紹介しています。
新収蔵の有島生馬作品と、国展作家でもある丸岡比呂史にもご注目ください。
展示の最後には、国内の美術館では所蔵が数少ない貴重なクリフォード・スティルとマーク・ロスコ、
そしてニューヨークで彼らと出会い自らの表現を切り拓くこととなった岡田謙三の作品にスポットを当てています。
同時代、同じ場所で活躍した三者の作品には色彩の豊かさと柔らかな形態が共通していますが、
しかしそれぞれに際立つ個性が認められることでしょう。
このコーナー展示は、改修工事を予定している滋賀県立近代美術館からお預かりした作品と当館のコレクションによるものです。
コレクションは美術館の活動を支えるものであり、
美術館が歩んできた歴史を語るものでもあります。
ご来館のみなさまにも、今回のコレクション展は企画展・特別展とどう関係があるのだろうと考えながら、お楽しみいただければうれしいです。
【会期】】10月30日(火)~12月24日(月・祝)
【会場】2階展示室
【関連事業】
◎ギャラリートーク(館長による展示解説)
12月2日(日)、12月16日(日)14:00から15:00
展示室にて(要観覧券)
3.渡部幹雄氏講演会 「智のしくみ」について考える
いくつもの公立図書館の運営、新設、改革に携わって来られた渡部幹雄氏による講演会を開催します。
さまざまな知的情報に触れることのできる図書館、本物に出会う場としての美術館や博物館。
それらは地域の人々の文化力を高める役割を持っています。
国内をはじめ、アメリカや北欧の図書館とまちづくりに関する豊富な調査事例と共に、
図書館運営のプロが地域の「智のしくみ」について語ります。
美術館にとってのヒントも、見つけられることでしょう。
「智のしくみ」について考える ポートランドのまちづくりを例に
講師:渡部幹雄(和歌山大学教授・和歌山大学附属図書館長)
【日時】11月18日[日] 14:00〜15:30
【会場】和歌山県立近代美術館 2階ホール
【主催】和歌山県立近代美術館
参加無料(先着120名)
4.風土記まつりに参加しています
同じ県立博物館施設である、和歌山県立紀伊風土記の丘では、今年も風土記まつりが開催されます。
県内外の博物館施設、社会教育施設が集まり、交流を行っています。
当館も毎年、出張ミュージアムショップやワークショップコーナーのブースを設けて、参加しています。
毎年、このお祭りを楽しみにして来る子どもたちがいます。
秋の気持ちいい時期に、風土記の丘でピクニック気分・・・のつもりが、われわれスタッフは毎年かなり寒い寒いと言っているのですが、
子どもたちは元気に走り回っていて、寒さなんてへっちゃらのようです。
当日、風土記の丘では秋期特別展「黒潮の海に糧をもとめて 古墳時代の海の民とその社会」が開催中です。
近代美術館とはまたちょっと違う考古博物館の展示も学べます!
ご家族で一度、参加してみませんか。
5.貸出中の当館コレクション ~あちらこちらで活躍中
当館コレクション(所蔵作品)は、全国各地の美術館で活躍しています。
◎「創作版画が歩んだ道のり 和歌山県立近代美術館コレクションを中心に」
岡山県立美術館 2018年10月5日(金)~11月4日(日)
- 山本鼎《漁夫》1904年
- 藤森静雄《夜のうた》1914年
- 岸田劉生《『白樺』第10年10月号表紙》1919年
- ほか、全145点
詳細は開催館にお問い合わせください。
6.おとなりの博物館
特別展「西行 ―紀州に生まれ、紀州をめぐる―」も後期展示になりました。残すところあと3週間です!
平安時代の歌人西行が、元永元年(1118)紀伊国田中荘(和歌山県紀の川市)に生まれて今年で900年となることを記念した展覧会。
豊富な資料の数々に、歴史の専門家は大注目のようですが、
私たち美術を専門とする者の目には、どうしてこんなに西行の像が多いの?!という素朴な疑問が湧いてきます。
今も昔も、どうしてこんなに西行は注目を集めるのか。西行とは何者か。そんな見方でも楽しめるのではないでしょうか。
普段は美術館だけに入られている方も、隣の博物館へちょっと出向いてみてはいかがでしょう。
お得な共通観覧券も販売しています。
西行法師生誕900年記念 特別展「西行 ―紀州に生まれ、紀州をめぐる―」
【会期】10月13日(土)~11月25日(日)
【会場】和歌山県立博物館(近代美術館となり)
【入館料】一般1000(800)円、大学生800(600)円
*( )内は20人以上の団体料金。
*高校生以下・65歳以上・障害者は無料。
*和歌山県内に在学中の外国人留学生は無料。
【主催】和歌山県立博物館・西行学会
【協力】弘川寺・西行記念館
【関連事業】
◎連続講座「西行 再発見!」
11月3日(土・祝)13:30〜15:00 「西行伝承のおもしろさ」松本孝三氏
11月10日(土)13:30〜15:00 「『撰集抄』の中の紀州譚」礪波美和子氏
11月17日(土)13:30〜15:30 「西行物語絵巻の世界を読む」
阿部泰郎氏・蔡 佩青氏・近本謙介氏・橋本美香氏
*いずれも和歌山県立近代美術館2階ホールにて、事前申込不要、参加費不要
◎ミュージアムトーク(担当学芸員による展示解説)
11月23日(金・祝)13:30〜15:00
11月24日(土)10:30〜12:00
いずれも展示室にて(要観覧券)
編集部より
久しぶりにコレクション展を担当しました。
収蔵作品の情報はデータベースや紙の作品カードで管理しており、まずはそういった情報で大まかに構成を考えていくのですが、
実際に収蔵庫で作品を見て、やっぱりあれを出そう、いやこっちかな?と修正をします。
時々、いくつかの作品たちに「たまには出してよ!」とアピールされている気がするのです。
実際に作品が展示室に並んで照明をあてた時には、ちょっとおめかしした作品たちがとても引き立って見え、うれしくなります。
そして展示作業をすべて終えて、展示室の鍵を閉める前には会場をぐるりと一周して、
「明日からよろしくね」と作品たちにあいさつをしてまわります。[青木]
私事ですが、かつて受験した大学院入試の筆記試験に、「国画創作協会」の用語説明が出ました。 回答できずに撃沈した自分が、まさかその特別展を担当することになろうとは…(今なら、もちろん満点取れます◎)
今年8月に白浜で生まれたパンダの赤ちゃん。 生まれた時は75グラムしかなく、さらに数日は60グラム代にまで体重が減り、とても心配しましたが、 今やすくすく成長して3キログラムを超えるまでに。結浜に続く名付け親を目指して、考えた名前を応募しました。
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