和歌山県立近代美術館

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館長からのメッセージ/2011.3.19

本当に想像を絶する事態となりました。東北・関東大震災で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表します。そして被災され、不安と絶望のなかで不自由な生活を送られている方々には、ただただ生き抜いてくださいと申しあげるほかはありません。

このような大災害にあっては、美術館はまったく無力のように感じられます。しかし、これから復興していくなかで、被災された方々に慰めと生きる勇気を与えるのが美術館の務めだと思います。悲嘆に暮れる方々にとって美術館はひとつの心の支えにならねばと思います。美術館の使命とは何なのか、そのために何をなすべきなのか、われわれはあらためて問い直さなければならないと思います。

当館は改修工事のため2月中旬以来閉館していましたが、今日ようやく再開しました。1階の展示室では「コレクション展2011-春」(6月12日まで)を、2階の展示室では「版画のアナ ガリ版がつなぐ孔版画の歴史」(4月17日まで)を開催しています。

「コレクション展」では、没後40年を記念して、海外でも評価の高かった有田川町出身の木版画家吉田政次(1917-1971)の回顧展示をしています。また、吉田の作品の題名≪青春の輝き≫にちなんで、芸術家たちが青年時代、おもに20代に制作した作品を紹介しています。23歳で夭折した田中恭吉(1892-1915)と91歳まで生きた天才パブロ・ピカソ(1881-1973)では、同じ若描きの作品といっても、その画業における位置はまったく異なります。しかし、才能に恵まれた芸術家は青春時代にキラッと輝く作品を残しています。ここでは青年時代の作品が持つ意味について考えてみたいと思います。

コピー機が普及した今日ではガリ版(謄写版)を知らない人が多くなったかと思いますが、シルクスクリーンと呼ばれる現代の版画技法は原理としてはガリ版と同じです。「版画のアナ ガリ版がつなぐ孔版画の歴史」は、和歌山県出身の清水武次郎(1915-1993)のガリ版による独創的な作品を中心に、シルクスクリーンを含め多彩な孔版画の歴史をたどる、当館ならではのユニークな展覧会です。

皆様、お暇を見つけて、ぜひ当館にお越しください。お待ちしています。

 

2011年3月19