1.【まもなく開催】特別展 動き出す!絵画  ペール北山の夢
  ーモネ、ゴッホ、ピカソらと大正の若き洋画家たちー

セザンヌ
ポール・セザンヌ《縞模様の服を着たセザンヌ夫人》1883ー85年 横浜美術館蔵
萬鉄五郎
萬鉄五郎《女の顔(ボアの女)》1912年 岩手県立美術館蔵

まもなく、西洋美術の名品と、明治時代末から大正時代にかけての日本近代洋画の名品が、ここ和歌山県立近代美術館に一堂に会します。

そのきっかけを作ったのは、北山清太郎(1888ー1945)という人物です。 北山は、大正時代に『現代の洋画』という美術雑誌を出版して西欧の美術を盛んに紹介しました。 また岸田劉生や木村荘八、高村光太郎といった同時代の画家たちと交流を持ち、彼らの活動を支援しました。

その貢献から北山は、パリでゴッホらを支援した画商のペール・タンギー(タンギー親爺)になぞらえて、「ペール北山」と呼ばれるようになります。

今回の展覧会では、この北山の活動を手がかりにして、大正期の画家たちがあこがれた西洋美術と、 それに影響を受けながらも独自の表現を見出した大正期の洋画を対比させて紹介します。 モネ、ゴッホ、ルノワール、ピカソといった画家たちの革新性から、日本の洋画家たちが何を学び、どう乗り越えようとしたのか。 日欧名品の対比から、美術表現のダイナミズムを感じていただけるまたとない機会となります。


【会期】11月19日(土)~2017年1月15日(日)
【会場】1階展示室
【主催】和歌山県立近代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
【協賛】ライオン、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜
【観覧料】一般1000(800)円、大学生800(600)円
 * ( )内は20名以上の団体料金
 *高校生以下、65歳以上、障害者の方、県内に在学中の外国人留学生は無料
 *11月26日、12月24日は「紀陽文化財団の日」として大学生無料

和歌山県立近代美術館 動き出す!絵画

> http://www.momaw.jp/exhibit/past/2016-1/paintings-go-motion2016.php

2.「動き出す!絵画」展 バラエティ豊かな各種イベントも開催

きいちゃん
     /きてね\
続いて、「動き出す!絵画展」の各種イベントのご案内です。

◎対談講演会「動く私、動く自画像」
 講 師:森村泰昌(現代美術作家)
 聞き手:熊田司(当館館長)
 11月26日(土) 14:00〜 2階ホールにて
(13:30開場、先着120名)*9:30より受付にて整理券配布

巨匠と呼ばれる画家の絵に自らなりきる作品を制作してきた森村泰昌さんに、その制作を通して見えてきた作品の魅力や秘密を、当館館長が聞き手となってうかがいます。

◎手回しアニメフィルム上映・解説会
  講師:松本夏樹(映像文化史研究家)
 12月23日(金・祝) 14:00〜 2階ホールにて
(13:30開場、先着120名 *9:30より受付にて整理券配布)

北山清太郎が日本最初のアニメーション作家であることに関連して、
当時のアニメーションの上映と解説を行います。


◎レクチャーコンサート「出会う!音楽」
 講師・ピアノ:松井淑恵(和歌山大学)×ヴァイオリン:日俣綾子
 2017年1月8日(日) 14:00〜 2階ホールにて
(13:30開場、先着120名 *9:30より受付にて整理券配布)
美術と同じように西洋からの影響を受けて展開した近代日本の音楽とアジアからの影響を受けた西洋音楽を、解説つきの演奏で紹介します。

◎フロアレクチャー(学芸員による展示解説)
 11月20日(日)、12月11日(日)、2017年1月9日(月・祝)
 14:00〜 会場にて(要観覧券)

◎こども美術館部(小学生対象の鑑賞会)「くらべてみようあの絵とこの絵」
 12月3日(土) 14:00〜 会場にて(当日開始時間までに要受付)

3.【まもなく開催】特別展関連展示 大正の異色画家たち

野長瀬晩花
野長瀬晩花《島の女》1916年頃 当館蔵

当館コレクションを中心に、稀少な個人コレクションを交え、「大正の異色画家たち」展を「動き出す! 絵画」展と同時開催します。

和歌山県中辺路出身の野長瀬晩花をはじめ、新時代の日本画を志して1918年に創立された国画創作協会に集まった画家とその周辺。 1914年に珠玉の版画集『月映』を刊行した田中恭吉たち。 晩花や恭吉らと親交を持ち、抒情的な世界を描いて一世を風靡した竹久夢二。 1926年に結成した「一九三〇年協会」に関わった佐伯祐三、川口軌外ら洋画家たち。

夏目漱石が和歌山で「現代日本の開化」と題して講演し、明治維新後の日本における外発的な近代化の問題を指摘したのは1911年のことでした。 展覧会に登場するのは、そうした近代化の只中で育ち、漱石の言説に共鳴した若い世代の作家たちです。1910年に創刊された文芸誌『白樺』の思潮に代表されるように、彼らは個性の伸張を求めて自らの生命の在処を問い、ある時は静やかに、ある時には大胆すぎる程の表現で新しい美術に挑戦しました。

大正期美術の諸相を「動き出す! 絵画」と合わせ、ぜひご覧ください。

【会期】11月19日(日)〜2017年1月15日(日)
【会場】2階展示室
【関連事業】
 ◎フロアレクチャー(学芸員による展示解説)
 11月27日(日)、12月17日(土)、1月14日(土)
 14:00〜 会場にて(要観覧券)

大正の異色画家たち
> http://www.momaw.jp/exhibit/post-122.php


4.ミュージアムショップより
  〜「動き出す!絵画」展オリジナルグッズも入荷予定

図録、解説ガイド
図録は洋書のようなデザイン(左)。会場ではイラスト入りの解説ガイド(右)も配布します

「動き出す!絵画」展では、充実した内容の図録はもちろん、雑誌『現代の洋画』の表紙画を応用した味わい深い一筆箋や手鏡のほか、オリジナル金太郎飴が販売されます。 金太郎飴は、可愛らしくデフォルメされた北山清太郎バージョン(清太郎飴)と、やや不穏な空気が漂う萬鉄五郎の《雲のある自画像》バージョン(鉄五郎飴)の2種類を予定しています。 完成をどうぞお楽しみに!

和歌山県立近代美術館ミュージアムショップ
> http://www.momaw.jp/mshop.php

5.貸出中の当館コレクション ~あちらこちらで活躍中

当館コレクション(所蔵作品)は、全国各地の美術館で活躍しています。

「動き出す!絵画 ペール北山の夢」展 チラシ
「動き出す!絵画 ペール北山の夢」展 チラシ

◎動き出す!絵画 ペール北山の夢

東京ステーションギャラリー  〜11月6日(日)

  • 田中恭吉《南国(紀伊にて)》1912年
  • 田中恭吉《池袋にて》1914年
  • 高須光治《自画像》1915年
  • 小林徳三郎《風景》1918年
  • 木村荘八《水道橋》1918年
  • 岸田劉生《黒き帽子の自画像》1914年(受託)
  •                ほか資料36点
「鈴木久雄 彫刻の速度」展 チラシ
「鈴木久雄 彫刻の速度」展 チラシ

◎鈴木久雄 彫刻の速度

武蔵野美術大学美術館  〜11月12日(土)

  • 鈴木久雄《四角上三角》1982年
  • 鈴木久雄《風化儀式3》1983年
  • 鈴木久雄《単錐台2》1984年
「日本におけるキュビスム ピカソ・インパクト」展 チラシ
「日本におけるキュビスム ピカソ・インパクト」展 チラシ

◎日本におけるキュビスム ピカソ・インパクト

鳥取県立博物館  〜11月13日(日)

  • 川口軌外《裸婦群像》1925年
  • 川口軌外《日傘と人》1953年
  • 山田光《作品ー黒釉》1956年
「近代花鳥画の巨匠 榊原紫峰展」展 チラシ
「近代花鳥画の巨匠 榊原紫峰展」展 チラシ

◎近代花鳥画の巨匠 榊原紫峰展

笠岡市立竹喬美術館  〜12月4日(日)

  • 榊原紫峰《松に栗鼠》1919年頃
「林康夫」展 チラシ
「林康夫」展 チラシ

◎林康夫

兵庫陶芸美術館  〜2月12日(日)

  • 林康夫《作品》1949年
  • 林康夫《ホットケーキ》1971年
  • 林康夫《Phase 85-2》1985年
  •             ほか9点

詳細は開催館にお問い合わせください。

 編集部より

今回、1階展示室入口前のリーディングコーナーもリニューアルします。 美術の入門書や子ども向けの本などを揃えて、ゆっくり美術に親しんでいただける空間になりますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

・・・美術館のつぶやきコーナー・・・

・東京展もまもなく終わり、いよいよ和歌山展が始まります。作品点数も40点以上増え、ボリュームアップしての展示です。 東京でご覧になった方も、ぜひ、和歌山会場へお越しください。

[青木加苗@動き出す!絵画]

・全館で「大正期美術祭り」になります。初公開の月映関連作品もあります。お楽しみに。
[井上芳子@大正の異色画家たち]

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