中銀(なかぎん)カプセルタワービルは、1972 年に竣工した、建築家 黒川紀章(1934–2007)の代表作のひとつです。新陳代謝する建築 =メタボリズム運動の最若手の建築家として活躍した黒川の、建築史に残る代表作です。
建物は約 10 m²のスペースに人間が生活する最小限の機能を詰め込んだ「カプセル」140 個から構成され、カプセルを取り外して移動させたり交換したりすることで新陳代謝する建築物というユニークな思想が体現されました。
しかしカプセルは一度も交換されることがないまま 50 年を経て、2022 年、老朽化に新型コロナウイルスのパンデミックが追い打ちとなり、惜しまれつつも解体されました。 オーナーと住人を中心メンバーとする「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」により23 個が救出され、黒川紀章建築都市設計事務所監修のもと、 保存再生が行われました。できるだけオリジナルに近い形に再生される展示用 が 14 個、その他の活用が可能なスケルトンタイプが 9 個で、和歌山県立近代美術館には 2023 年 8 月 24 日、展示用 A908 が到着しました。
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中銀カプセルタワービルのカプセル展示について20230829 (ダウンロード / PDFファイル / 1.11MB)
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