トップページ >展覧会 >恩地孝四郎展 抒情とモダン

恩地孝四郎展 抒情とモダン

会期:2016年04月29日(金)~2016年06月12日(日)

恩地孝四郎展 抒情とモダン 恩地孝四郎《「美人四季」冬》    1927(昭和2) 京都国立近代美術館蔵

近代日本における版画界の巨星であり、また抽象表現のパイオニアとして知られる恩地孝四郎(1891-1955)の約20年ぶりとなる回顧展を開催します。

竹久夢二との出会いをきっかけに画家を志した恩地は、1914年に田中恭吉・藤森静雄と詩と版画の雑誌『月映(つくはえ)』を刊行します。同誌で発表した1915年の《抒情『あかるい時』》等は、日本における抽象表現の先駆けとなりました。1920〜30年代には時代と呼応しつつ様々な版表現の可能性を追求し、戦後になると専ら抽象版画の連作を発表します。特に、作者の心にわき起こる感情をかたちにした「抒情(リリック)」シリーズは、一貫して画業の根底をなすものでした。版画表現の近代化に向けて偉大な足跡を残した恩地の自由な創作姿勢は、後世の版画家たちにも多大な影響をあたえています。

本展では海外からの里帰り作品を含む版画243点を中心に、油彩、素描、写真、ブック・デザインなど、その領域横断的な仕事も併せて、約400点を一挙紹介いたします。

以下の作品は、展示期間が限られます。

 4月29日 〜 5月22日
《ダイビング》(P136)、《白亞(蘇州所見)》(P161)、[失題(花)](Ph1)、《ウラシマソウ・芽》(Ph2)、[中国にて、九江](Ph9)、『海の童話』(B56 前半ページ)、『蟲・魚・介』(B71 前半ページ)

 5月24日 〜 6月12日
《『とんぼの眼玉』の著者(北原白秋像)》(P164)、《リリックNo.22 かけらになってる幸福》(P228)、《パパイヤ(『博物志』)》(Ph4)、《オホクリアリマキの集群(『博物志』)》(Ph5)、[中国にて](Ph13)『海の童話』(B56 後半ページ)、『蟲・魚・介』(B71 後半ページ)

 4月29日 〜 5月15日
《抒情 よろこびあふれ(『月に吠える』挿絵原画)》(P70)、《アレゴリーNo.2 廃墟》(P187)、《季節標》(B62)の内、「虫」

 5月17日 〜 5月29日
《抒情 よろこびすみ(『月に吠える』挿絵原画)》(P71)、《季節標》(B62)の内、「魚」

 5月31日 〜 6月12日
《抒情 ひとりすめば(『月に吠える』挿絵原画)》(P72)、《季節標》(B62)の内、「鳥」

 

以下の作品は、出品されません。

[ドローイング](D15)《海》(P144-1〜P144-3)、《山田耕筰像》(P148)、《カリカチュールNo.1 1947年の日本》[カリカチュールNo.1 1948年の日本](P185)、《フォルムNo.9 黒について》(P195)、《ポエムNo.11 春》(P203)、《アンプロンプチュ(即興)No.3 線》(P209)、《リリックNo.31 悲しき興奮》(P241)、《山田耕筰像 下絵》(D27)

展覧会情報

会場 和歌山県立近代美術館 2階展示室
会期 2016年04月29日(金)~2016年06月12日(日)
開館時間 9:30~17:00(入場は16:30 まで)
休館日 月曜日
観覧料 一般700(560)円、大学生400(320)円 ( )内は20名以上の団体料金
*高校生以下、65歳以上、障がい者の方、県内に在学中の外国人留学生は無料
*5月28日(土)は「紀陽文化財団の日」として大学生無料
主催 和歌山県立近代美術館、東京国立近代美術館、産経新聞社

関連事業

◎記念講演会

5月8日(日)「抽象への方途 恩地孝四郎の版画」松本透(まつもと・とおる 東京国立近代美術館特任研究員)

5月14日(土)「恩地孝四郎の実験精神:創作版画から現代美術へ」桑原規子(くわはら・のりこ 聖徳大学教授)

いずれも14:00〜15:30 2階ホール(聴講無料)

◎フロア・レクチャー(学芸員による展示解説)

5月3日(火・祝)、5月22日(日)、6月5日(日)

14:00〜15:00 2階展示室(要観覧券)

◎GW関連イベント

4月30日(土) こども美術館部(鑑賞会)「おんちさんとかたち探検」

5月1日(日)  解説会「恩地孝四郎を知ろう」

◎製本工芸の展示

4月29日(金・祝)〜6月12日(日)「本の美術:ルリユールへの誘い」>詳細はこちら

1階リーディングコーナー(観覧無料)

◎ワークショップ【受付終了】

5月29日(日)「フランス装の本をつくる」講師 : 藤井敬子(東京製本倶楽部)

13:00〜16:00  2階ホール 対象 : 中学生以上 参加費 : 1000円(材料費)

※要申込、先着20名まで。

(定員に達しましたので、受付を終了いたしました。)

 

同時開催

「コレクション展 2016−春/特集 謄写印刷工房から——印刷と美術のはざまで」〜5月29日(日)

※恩地が関わった『書窓』や「一木会」の作品なども展示しています。>詳細はこちら

「コレクション展 2016−夏/特集 ドローイング——水彩・パステル・紙の世界」6月7日(火)〜

ダウンロード/File Download

ツイートボタン
いいねボタン