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特集 謄写印刷工房からー印刷と美術のはざまで

会期:2016年03月29日(火)~2016年05月29日(日)

特集 謄写印刷工房からー印刷と美術のはざまで 清水武次郎『蝸牛工房挨拶状』1946

当館は、版画をコレクションの柱のひとつとしている美術館です。謄写版についても、和歌山で生まれ、活動した版画家、清水武次郎を中心に、謄写版による版画作品や資料をこれまで「版画の『アナ』ガリ版がつなぐ孔版画の歴史」(2011年)、「謄写版の冒険 卓上印刷器からはじまったアート」(2013年)、「版画について考える」(2014年)で紹介してきました。

いずれの展覧会も、簡易な複写技術としての謄写版が、コピー機などの普及によって私たちの前から姿を消すとほぼ同時に、版画技法としても忘れられつつある流れをとどめ、作品や資料がより多くの人に大切にされ、次の世代に伝えられるよう、そして新たにこの魅力的な技法による表現が試みられることを願って企画されました。このたびは特集展示として「謄写印刷工房から——印刷と美術のはざまで」を開催します。

美術作品は、「美術」として特別に保証された場所からのみ、生まれるのではなく、私たちの身辺からも常に生まれてきています。いまは、それが「美術」だと一般に認められていなくても、たとえば、制作された当時、美術とは認められていなかった謄写版工房の仕事に、尊ぶべき人間の仕事を感じられる感覚が私たちにあれば、いままさに生み出されているものを見定めることもできるでしょう。およそ80点の作品と資料を出品する今回の展示をきっかけに、このような刺激的な経験を共有できましたら幸いです。

展覧会情報

会場 和歌山県立近代美術館 1階展示室
会期 2016年03月29日(火)~2016年05月29日(日)
開館時間 9時30分−17時(入場は16時30分まで)
休館日 月曜日(ただし月曜日が祝休日の場合は翌平日休館)
観覧料 一般340(270)円、大学生230(180)円 ( )内は20名以上の団体料金
*高校生以下、65歳以上、障がい者の方、県内に在学中の外国人留学生は無料
*「コレクション展 2016-春」と共通

関連事業

【担当学芸員による解説会】

4月23日(土)、5月28日(土)14時より 1階展示室にて(要観覧券)

同時開催

「宇佐美圭司回顧展 絵画のロゴス」 〜4月17日[日]

「恩地孝四郎展 抒情とモダン」 4月29日[金]〜

「コレクション展 2016-春」 同時開催

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