
会期:2011年07月02日(土)~2011年08月28日(日)
この夏休みを美術館で過ごしませんか?
和歌山県立近代美術館では、さまざまな視点からテーマを設けて、コレクションを紹介しています。
今回は「みること」「うつすこと」をテーマに、美術の持つひとつの側面に光をあてます。写真や版画を中心とした作品を通して、少し変わった視覚体験を、この夏、楽しみます。
見えるものを写すことは、長いあいだ、美術の目的のひとつでした。目に見える世界を写しとり、絵画や彫刻として再現することが、美術の仕事とされてきたのです。
しかし、19世紀に発明された「写真」は、レンズを通した光を定着させることで、見える世界をそのまま写し取ることを可能にしました。写真という新しい現実の出現は、逆に「みる」という体験についての再考を促します。現実の似姿のようにみえるけれども、現実とは異なる世界。写真に写された世界は、私たちの見ている世界とは?リアルとはなにか?と問いかけます。
そして、これまでの美術も、その役割や存在を問われることになりました。また見るために必要不可欠な「光」、あるいは記録される「時間」や「記憶」といった問題もより意識されるようになります。
原版を転写することで制作される「版画」も、写すことによってしか得られないイメージを生成する美術表現です。原版とその写しの間に生じる差異やズレこそは、版画の本質といえるものですが、「うつす」という行為そのものを問うような作品も生まれています。
この展覧会では、「写真」や「版画」といった「うつす」メディアを用いた現代美術の作品を中心に紹介し、「みること」と「うつすこと」をめぐる不思議について、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
【展覧会構成】35作家83点
・写真と美術表現 ・光について・存在をうつすこと・写真と版画のあいだに・時間と記憶
【主な出品作家】
トーマス・ルフ チャック・クロース デビッド・ホックニー 杉本博司 上田薫 鴫 剛 森村泰昌 シンディ・シャーマン ハミッシュ・フルトン アンディ・ゴールズワージー 野村仁 秋岡美帆 名和晃平 中西信洋 吉田重信 ロジャー・アックリング 瑛九 瀧口修造 加納光於 孫雅由 飯塚二郎 吉田克朗 斎藤智 井田照一 木村秀樹 安東菜々 田中孝 木村光佑 高原洋一 濱田弘明 小枝繁昭 野田哲也 クリスチャン・ボルタンスキー 太田三郎 ・・・(順不同)


![名和晃平《PixCell[Camereon]》2003 ミクストメディア](https://www.momaw.jp/cms/momaw-management/contents/uploads/2011/07/Pixcell_Camereon-thumb-235xauto-61.jpg)
展覧会情報
会期 | 2011年07月02日(土)~2011年08月28日(日) |
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開館時間 | 9時30分~17時(入場は16時30分まで) |
休館日 | 月曜日 ただし7月18日(月・祝)は開館し19日閉館 |
観覧料 | 一般500(400)円、大学生300(250)円 ( )内は20名以上の団体料金 *高校生以下、65歳以上の方、障害者、県内に在学中の外国人留学生(外国人就学生も含む)は無料 |
関連事業
・ワークショップ「「もっと、光を」ドキドキ少年撮影隊ミュージアム編 Part II」
講師:佐藤時啓(東京藝術大学教授)
8月20日(土)、21日(日) 場所:和歌山県立近代美術館および熊野古道なかへち美術館ほか
※詳しくは、下記のファイルをダウンロードしてご覧ください。
・フロアレクチャー(学芸員の展示解説)
7月10日(日)、7月18日(月・祝)14時から、2階展示室にて(要観覧券)
・こどもギャラリートーク(子どもを対象としたトーク。親子でも参加できます)
7月30日(土)、8月7日(日)、8月13日(土)14時から、2階展示室にて(要観覧券)
ダウンロード/File Download
なつやすみの美術館チラシ.pdf (ダウンロード / PDFファイル / 1.83MB)
ワークショップ01.pdf (ダウンロード / PDFファイル / )
ワークショップ02.pdf (ダウンロード / PDFファイル / )
なつやすみの美術館_みること_うつすこと出品目録.pdf (ダウンロード / PDFファイル / 568.22KB)
