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館長からのメッセージ/2010.11.02


11月に入って急に秋も深まり、紅葉も日に日に進んでいます。皆様はお元気でお過ごしでしょうか。

きょう第64回和歌山県美術展(県展)が、当館と県民文化会館で開幕しました。当館では、洋画、日本画、書、写真、工芸の入賞作品と、彫塑の入選ならびに入賞作品を展示しています。[入場無料。11月14日(日)まで。ただし、11月8日(月)は休館]

美術館の使命は価値のある美術品を収集、保存、公開して、人びとの生活をより豊かで創造的なものにすることにあると思います。そしてさらに、そのコレクションと施設を使って新しい芸術と新しい価値を生み出すことにあると思います。いかなる天才でも無から有は生み出せません。創作活動は文化の蓄積があって初めて成り立つものです。そのためにこそ和歌山県立近代美術館を活用していただきたいと思います。

当館では10月23日から「保田春彦展 近作デッサンを中心に」と「コレクション展2010-秋冬」を開催しています。(2011年1月30日まで)「保田春彦展」では、現代の日本を代表する彫刻家のひとりで和歌山とゆかりの深い保田春彦の近作デッサン80点を、1950年代からの彫刻・デッサンと共に紹介しています。また、「コレクション展2010-秋冬」では、「和歌山と近代日本の美術」、「はじまりの時、1970年」の二つのテーマの下に当館のコレクションをご覧いただけます。「和歌山と近代日本の美術」では、和歌山ゆかりの作家を中心に、その作家が活躍したグループや人、場所、時との関連によって幅を広げてきた当館のコレクションを、そして「はじまりの時、1970年」では、当館が開館した1970年に作られた作品や、当時話題になった展覧会に出品された作品など、時代を映しつつ、時を超えて今に息づいている作品を紹介しています。

今年の秋はこのほか、「日本画が結ぶ心-平山郁夫追悼展示、小沢道治展」(11月20日~12月23日)を開催いたします。どうかご期待ください。


2010年11月2日

雪山行二

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