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館長からのメッセージ/2011.09.06

このたびの台風で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された方々には心からお見舞いを申し上げます。

今年の夏、和歌山県立近代美術館は例年にない賑わいを見せました。その理由の一つは、大人の観覧料金を夏休みに限って通常の500円から半額の250円に下げたことです。宿題をしに来るお子さんに付いて来たというお父さん、お母さんも沢山いらっしゃいました。1年中250円でご覧いただければ良いのですが。

『なつやすみの美術館「みること」「うつすこと」』は、少々むずかしい展覧会でしたが、大人にとっても、子供にとっても、予想以上に好評でした。アンケートの感想に次のようなものがありました。「“みること”に対する哲学的な解説から入ったあたりが大変おもしろく、フムフム思いながらみました。いつもおもしろくて好きです。子供が多くてよかったです。もっと身近な美術館であってほしいので」(34歳、女性)。どうもありがとうございました。

関連事業の『「もっと、光を」ドキドキ少年撮影隊ミュージアム編 PART II』は、天気こそもうひとつでしたが、自分で作ったピンホール・カメラを使って、当館と中辺路で楽しく撮影会を開きました。近々、当館で作品を展示する予定です。

9月3日に「生誕100年記念 高井貞二展」が始まりました。和歌山県高野口町で育った高井(1911-1986)は東京に出て、若くしてシュールレアリズム絵画に才能を発揮しました。その後めまぐるしく画風を変え、1954年以降はアメリカを舞台に抽象表現主義、そしてグラフィック・アートに通じる具象画へと果敢に挑戦しました。高井はこのほか本の挿絵を手がけるなど幅広い活動を展開しています。この展覧会は昭和という時代を駆け抜けた才人高井貞二の画業を、当館所蔵作品によってご紹介します。

皆様、今年の秋もどうか和歌山県立近代美術館にお越し下さい。お待ちしています。

 

2011年9月6日

館長 雪山行二

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