トップページ >館長からのメッセージ >館長からのメッセージ/2011.1.01
新年あけましておめでとうございます。
皆様はたのしいお正月をお過ごしでしょうか。本年が皆様にとって平和で幸せな年となりますよう、心からお祈り申し上げます。
昨年は当館の開館40周年にあたり、それを記念して、「ようこそ彫刻の森へ」、「日本近代の青春 創作版画の名品」など、充実したコレクションを基に当館ならではの特色ある企画展を開催したほか、当館の名誉館長をつとめられた平山郁夫氏(1930-2009)を追悼する「日本画が結ぶ心-平山郁夫追悼展示、小沢道治展」を開催いたしました。
「日本画が結ぶ心」は10000名近い方々にご覧いただき、12月23日に好評のうちに終了しました。小規模ではありましたが国民的画家ともいえる平山氏の展覧会を実現できたこと、さらに、奥様の平山(旧姓松山)美知子さんのいとこで、これまで一般にはほとんど知られていなかった小沢道治氏(1915-2000)の画業を紹介できたことを、大変うれしく思います。
小沢氏は東京美術学校(現在の東京藝術大学)日本画科を卒業し、復員後は故郷の九度山町に戻って、高校の教師をつとめながら制作に打ち込み、紀伊山地の豊かな自然をテーマに独自の画風を築きあげました。名誉欲とはまるで無縁な真摯な生き方と、清澄で端正な芸術が多くの来館者の共感を得たものと思います。アンケート調査に答えてくださった方のなかに、小沢先生の教え子が数多く含まれていたことも印象に残りました。
本年は1月4日から開館記念展の第三弾として、県内の所蔵家の名品をまじえながら当館の近代洋画コレクションの粋を紹介する企画展「油絵の魅力 イズムを超えて」(2月13日まで)を、そして3月19日から「版画のアナ ガリ版がつなぐ孔版画の歴史」(4月17日まで)を開催します。ご来館いただければまことに幸いです。
本年も私をはじめ当館の職員一同は、皆様に愛され信頼される美術館を目指していっそうの工夫と努力をいたします。日ごろのご厚情に深く感謝するとともに、年頭にあたり、皆様には暖かいご支援とご鞭撻を心からお願い申しあげます。
2011年 元旦