会期:2022年09月10日(土)~2022年11月06日(日)
このたび、和歌山県立近代美術館と田辺市立美術館は、昨年3月に満100歳で亡くなった、和歌山県田辺市出身の日本画家、稗田一穗 (1920–2021)の回顧展を共同で開催いたします。
10代半ばで日本画家を志した稗田は、東京美術学校に学び、戦後、本格的に画家としての活動をはじめました。鳥を主要なモチーフとした、生命を寿ぐような素朴で力強い表現や、世界的な絵画動向を意識しつつ画材の特質も発揮した画面構成は、日本画の地平を拓くものとなります。
また60歳を迎える頃よりは、故郷、和歌山の熊野の地をモチーフにした、悠久の時間を想わせる荘厳な風景と、長らく生活を営んだ東京の成城の町をモチーフにした、詩情あふれる日常の風景が主要なテーマに加わり、個々の作品はもちろん、あちらとこちらを行きかうなかで、見る者を深い思索と想像に誘う独自の世界観を築きます。
この展覧会では、各時代の主要な作品を通して稗田の画業全体をふり返るとともに、アトリエに遺された画稿やスケッチブックなどを合わせて紹介することで、その創作の過程もたどります。80年以上を日本画の研究に費やし、戦前から戦後の絵画に大きな足跡を残した画家の画業を改めてご覧いただくことで、故人を偲ぶ機会といたします。
*10月11日に一部作品の展示替えを行います。
アトリエにて 稗田一穗(75歳) 写真提供:世田谷区
展覧会情報
会場 | 和歌山県立近代美術館 2階展示室 |
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会期 | 2022年09月10日(土)~2022年11月06日(日) |
開館時間 | 9時30分−17時(入場は16時30分まで) |
休館日 | 月曜日(9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火) |
観覧料 | 一般800(640)円、大学生500(400)円 ( )内は20名以上の団体料金 *高校生以下、65歳以上の方、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料 *毎月第4土曜日(9月24日、10月22日)は「紀陽文化財団の日」として大学生無料 *10月2日(日)は無料観覧日 |
主催 | 和歌山県立近代美術館、田辺市立美術館 |
助成 | 一般財団法人 地域創造 |
田辺展 | 田辺市立美術館・熊野古道なかへち美術館[田辺市立美術館分館] 2022年11月19日[土]–2023年1月15日[日] |
関連事業
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、内容の変更、事業の中止を行う場合があります。 変更があった場合は、美術館のウェブサイトでお知らせします。
▶記念講演会「稗田先生の作品と思い出」
講師:滝沢具幸(日本画家、創画会副理事長、飯田市美術博物館館長、武蔵野美術大学名誉教授)
日時:10月16日(日)14時から15時30分 *聴講無料、2階ホールにて、13時30分開場、先着順50名程度
内容:50年にわたる親交を元に、稗田一穗とその作品についてお話しいただきます。
▶ワークショップ「月によせる」
講師:宮いつき(日本画家、創画会会員、多摩美術大学教授)
日時:9月23日(金・祝) 10時から15時30分頃
対象・人数:中学生以上の10代の方、10名程度(*9月21日より、10歳以上の10代の方まで対象を広げて最終の受け付けを行っています。)
*8月23日、13時より当館ウェブサイトで参加申込み受付け開始。先着順、定員になりしだい締め切り。
内容:稗田一穗作品に特徴的な「月」を中心に、日本画の画材を使った表現を体験します。
▶フロアレクチャー[学芸員による展示解説]
日時:9月18日(日)、9月24日(土)、10月9日(日)、10月30日(日)
*14時から、2階展示室にて、要観覧券
▶こども美術館部「あっちとこっち」[小学生を対象とした作品鑑賞会]
日時:10月22日(土)、10月23日(日) *11時から、2階展示室にて
人数:6名程度 *10月4日、9時30分より当館ウェブサイトより要事前申込。
同時開催
コレクション展2022−夏秋 特集:1960s–1980s 関西の現代美術「再見」 7月16日(土)–9月25日(日)
コレクション展2022–秋冬 特集:田中恒子コレクション 10月8日(土)–12月25日(日)
ミティラー美術館コレクション展 10月8日(土)–12月25日(日)
ダウンロード/File Download
稗田一穂展出品目録2022 (ダウンロード / PDFファイル / 422.14KB)
タグ:和歌山県立近代美術館, momaw, 稗田一穗